上はネット上の掲示板にあげられたワンオペ中のママによる質問です。
上記質問者以外にも、共働きなのにワンオペ状況に悲鳴をあげている主婦もいました。
現代の日本では男女平等を謳っておきながら、家事や育児の比重が妻に偏る傾向にあります。
一体、どれくらいの共働き家庭でワンオペに陥っているのでしょうか?
なぜ、共働きなのにワンオペになってしまうのでしょうか?
共働きでワンオペ育児はおかしいのでしょうか?
この記事では共働き家庭を対象に育児・家事にかける時間を夫婦別で調査してみました。
合わせて、なぜワンオペに陥ってしまうのか、共働き家庭でのワンオペから脱する方法について解説していきます。
共働き家庭のワンオペ育児率は?
共働き家庭におけるワンオペ状況は以下のとおりです。
家事・育児項目 | 夫の平均頻度 | 妻の平均頻度 |
---|---|---|
食料品・日用品の買い物 | 2.0 | 4.5 |
食事の準備・調理 | 1.5 | 4.8 |
食事の後片付け(食器洗い) | 1.8 | 4.6 |
洗濯・衣類の整理 | 1.6 | 4.7 |
部屋の掃除(部屋、風呂、トイレ等) | 2.1 | 4.4 |
子どもの食事や身の回りの世話 | 2.2 | 4.3 |
子どもの入浴の世話 | 2.8 | 4.0 |
子どもの遊びや話しの相手 | 3.0 | 3.8 |
子どもを寝かしつける | 2.4 | 4.1 |
保育園の送迎 | 2.8 | 3.6 |
備考
- 頻度の算出は、「ほとんど行わない」を 1 点、「週に 1 日くらい」を 2 点、「週に 2 ~ 3 日」を 3 点、「週に 4 ~ 5 日」を 4 点、「ほぼ毎日(週 6 ~ 7 日)」を 5 点とし、合計点を算出して平均化しています。
- データは、千葉県西部の公立保育所 21 保育所の保育園児の保護者を対象に行った質問紙調査の結果に基づいています。
上記データから結論づけると、以下のとおりです。
妻の頻度
- 家事:ほぼ毎日
- 育児:ほぼ毎日
夫の頻度
- 家事:週2回
- 育児:週3回
となり、
共働きであっても、妻に家事育児の負担が偏っている
と言えます。
さらに、1週間あたりの家事・育児にかける時間は以下のようになります。
家事・育児項目 | 夫の平均時間(週) | 妻の平均時間(週) |
---|---|---|
食料品・日用品の買い物 | 0.4時間 | 1.6時間 |
食事の準備・調理 | 2.1時間 | 11.9時間 |
食事の後片付け(食器洗い) | 1.3時間 | 5.7時間 |
洗濯・衣類の整理 | 0.8時間 | 4.2時間 |
部屋の掃除(部屋、風呂、トイレ等) | 0.8時間 | 3.2時間 |
子どもの食事や身の回りの世話 | 3.1時間 | 10.9時間 |
子どもの入浴の世話 | 2.0時間 | 5.0時間 |
子どもの遊びや話しの相手 | 3.2時間 | 7.3時間 |
子どもを寝かしつける | 1.7時間 | 5.3時間 |
保育園の送迎 | 1.6時間 | 3.4時間 |
週あたり家事・育児にかける時間
- 夫の家事・育児に費やす合計時間:
- 家事:5.4時間
- 育児:11.6時間
- 合計:17.0時間
- 妻の家事・育児に費やす合計時間:
- 家事:26.6時間
- 育児:35.4時間
- 合計:62.0時間
夫は週あたり17.0時間を家事・育児に費やしているのに対し、妻は62.0時間を費やしていることがわかります。
単純計算で、約3.5倍の数を妻側がこなしていることになります。
では、なぜこのように偏ってしまうのでしょうか?
次の章で深掘りして解説していきます。
共働きなのにワンオペ育児に陥ってしまう理由
共働き家庭であるのにも関わらず、どちらか片方が育児や家事の比重が重い家庭は少なくありません。
順当に考えるのであれば、両者とも働いているので育児や家事も同様に行うべきと考えるのが当然の考えです。
しかしながら、先ほどのデータの通り、共働き家庭であっても女性が家事育児をするケースが圧倒的に高い割合を示していました。
なぜなのでしょうか。
ここでは、先ほどのデータを参考に原因について解説していきます。
古い伝統が残っている
日本社会には、伝統的な家庭観念が根強く残っています。
家庭観念とは、
男性が働き、女性が家庭を守るという考え方です。
このような考え方が根付いている為、男性の育児家事の参加率が低いと言えます。
戦後の高度経済成長期には、この性別役割分担が一般的でした。
多くの家庭で、父親は長時間働き、母親が家庭を守るという生活スタイルが定着していました。
しかし、経済状況の変化や女性の社会進出に伴い、多くの家庭が共働きを選択するようになりました。
それにかかわらず、伝統的な役割分担の意識は依然として残っており、特に年配の世代や地域社会の圧力が影響を与えることがあります。
賃金格差がある
女性の社会進出を謡う日本においても、男女間の賃金格差が存在します。
この賃金格差が、家事や育児の負担が偏ってしまう原因の一つです。
現代において、このような賃金格差は減っているのは事実としてありますが、まだまだ男女間での賃金格差問題が根付いている企業も存在しています。
この結果、家計において男性の収入が大きな割合を占めることが多く、女性が育児や家事を担うことが経済的に合理的だと考えられる場合があります。
コミュニケーション不足
単純な問題点ではありますが、夫婦間のコミュニケーション不足がワンオペ育児の原因になっていることもあります。
仕事の忙しさやストレス、時間の制約などから、お互いの状況や気持ちを十分に理解し合う機会が減少することが多いです。
コミュニケーションがとれない故に、あなたの辛さをパートナーである夫が理解できていないパターンがあります。
その結果、家事や育児の負担が偏ってしまうのです。
ワンオペ育児の行く末は離婚
さらに、コミュニケーション不足はお互いの理解や感謝の気持ちを減少させ、ストレスや不満を生む原因にもなります。
これにより、夫婦間の関係が悪化し、育児や家事の負担がさらに一方に集中するという悪循環が生まれることがあります。
実際に、ワンオペ育児が原因で離婚を決めいてる夫婦も少なくなようです。
共働き家庭がワンオペ育児を乗り切る方法
共働き家庭が増える中、育児と仕事の両立に悩む家庭は少なくありません。
ワンオペ育児の負担を軽減し、家庭全体が健全に機能するためには、いくつかの方法を検討する必要があります。
以下に、具体的な対策を提案します。
家事を外注する
家事を外注することは、共働き家庭が育児と仕事を両立するための有効な方法の一つです。
幸い、共働きであるならばある程度のお金を捻出することは可能です。
家事を外注することで、育児に専念する時間を確保することができます。以下は家事を外注する際のポイントとサービスです。
家事代行サービスの利用
家事代行サービスを利用することで、掃除や洗濯、料理などの家事を専門のスタッフに任せることができます。
上記の動画は家事代行サービスベアーズが実際のお宅を訪問して作業をしている様子の動画です。
これにより、親は子どもとの時間を増やすことができ、ストレスを軽減することができます。
定期的な利用や、特定の曜日に集中して依頼することで、家庭の負担を大幅に減らすことができます。
食材宅配サービスの活用
料理の準備に時間を取られることが多い共働き家庭にとって、食材宅配サービスは非常に便利です。
あらかじめカットされた食材やレシピが届くため、調理時間を大幅に短縮することができます。
また、この手のサービスでは栄養バランスの取れたメニューが提供されることが多く、子どもの健康にも良い食事を提供することができます。
どちらかが専業となる
共働き家庭において、どちらかが専業主婦・専業主夫となることも一つの選択肢です。
以下は、この専業になる際のポイントです。
経済的な計画を立てる
どちらかが専業となる場合、家庭の収入が減少することになります。
そのため、事前に経済的な計画を立てることが重要です。
固定費の見直しや、必要な生活費の計算、将来的な復職のための準備などを行い、家計が安定するように努めましょう。
役割分担の明確化
専業となる側と働き続ける側の役割分担を明確にすることが大切です。
家事や育児の負担がどちらか一方に偏らないように、日常のタスクやスケジュールを細かく調整し、協力体制を築くことが求められます。
特に、専業となる側が一人で全てを抱え込まないよう、適切なサポートを提供することが重要です。
復職の準備もしておく
一時的に専業となる場合でも、将来的な復職を見据えた準備を行うことが重要です。
フルリモートワークで活かせるスキルの取得を目指してもいいかもしれませんね。
フルリモートワークであれば、通勤時間もゼロになり家事や育児にかける時間も確保できます。
また、育児休業や家庭の事情を理解してくれる職場環境を選ぶこともポイントです。
結論:共働きなのにワンオペ育児っておかしい?
共働きなのにワンオペ育児になるのは、
おかしいしですし、改善すべきです。
しかしながら、共働き家庭においても妻が旦那の3.5倍の家事や育児をこなしているのが現状です。
週あたり家事・育児にかける時間
- 夫の家事・育児に費やす合計時間:
- 家事:5.4時間
- 育児:11.6時間
- 合計:17.0時間
- 妻の家事・育児に費やす合計時間:
- 家事:26.6時間
- 育児:35.4時間
- 合計:62.0時間
50年前の日本と比べて、共働き世帯は倍になり女性の社会進出に伴い、「育児は旦那も参加すべき」という風習に変わりつつあります。
参考:「ワンオペ育児に疲れた」って言ってる専業主婦と、40年前50年前の専業主婦とは何が違うんですか?
しかし、先ほど述べたように、奥さんが育児行う割合が圧倒的に多く、古い考えが残っています。
以下の記事によると、ワンオペ育児による離婚率は60%と言われています。
参考:ワンオペ育児の離婚率はどれくらい?幸せな家庭の秘訣は産後にある!?
ワンオペ育児の行く末は家庭崩壊です。
「昔はワンオペ育児が当たり前」という古い風習がありましたが、現代では旦那さんも奥さんも等しく育児に参加すべきなのです。
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